
アレルギー科
アレルギー科
私たちの体には、自分自身と自分でないもの(非自己)を見分ける仕組みがあり、この働きは「免疫応答」と呼ばれています。インフルエンザやコロナなどの感染症にかかると熱が出ますが、これは外からの侵入者を見つけて排除しようとする仕組みが働いていることの表れです。
うまく免疫応答ができないと体の中に細菌やウイルスなどがとどまってしまうことになり、その人の健康に悪い影響を及ぼすかもしれません。
花粉や食べ物、家の中のホコリ、動物のふけなどはヒトを攻撃するものではなく、本来は無害であるものです。しかし、遺伝的な要因や環境によって、それらに対して過剰に反応してしまうことがあります。このような反応のことを「アレルギー」といいます。
アレルギーを起こしやすい体質のお子さまは、乳児期に湿疹やアトピー性皮膚炎が最初に発症して、その後、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎と次々に発症していくことが多く、これを「アレルギーマーチ」と呼んでいます。アレルギーマーチを防ぐには、乳児期の湿疹を早期に治療することが大切です。
また、原因となるアレルゲンを避けることは、基本的な治療の一つです。原因アレルゲンを避けるためには、問診や症状、検査によって原因となるアレルゲンを特定することが必要となります。
簡易検査として、当院では指先からの微量の採血でスクリーニング検査ができるDropScreen A-1を導入しています。
お子さまとご家族に寄り添い、ご負担を軽減できるよう診療を進めていきます。お子さまのアレルギーが心配の方やお悩みの方はご相談ください。
一般社団法人日本アレルギー学会のホームページでアレルギー動画集を公開されています。
参考にしてください。
アトピー性皮膚炎は、かゆみの強い湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の炎症疾患です。乳児では頬を中心とした顔や頭がカサカサして赤くなり、幼児では目や耳の周り、首、ひざやひじの内側など特徴的な部位に湿疹が現れます。
原因としては、皮膚の乾燥やバリア機能の低下により、皮膚の表面に隙間ができ、そこから細菌や刺激物質、アレルゲンなどが入りやすくなって炎症が起こると考えられています。乳児期に湿疹の程度が強かったり湿疹が長く続くほど食物アレルギーの発症率が高いことがわかっています。早期に治療することが大切です。
治療は、バリア機能を補うためのスキンケア(保湿剤など)、皮膚の炎症を抑える薬物治療(ステロイド外用薬など)、かゆみをひどくさせるような原因に対する環境整備が基本となります。
気管支喘息は、空気の通り道である気管支がせまくなり、息をするときにゼーゼー・ヒューヒューという音がする喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難、咳が止まらないという発作をくりかえす病気です。
気管支に慢性的な炎症がおこっており、過敏になっているためちょっとした刺激で発作が起こります。ダニやハウスダスト、ペットの毛などのアレルゲン、風邪、たばこの煙、激しい運動、ストレスなどが刺激となります。
小学生で7~10%、中学生で5~10%の罹患率と考えられています。
発作が起きた時にその症状を鎮めるための発作治療も大事ですが、気管支の炎症を抑えて発作を予防するための長期管理、環境整備も大切です。
アレルギー性鼻炎・結膜炎は、喘息やアトピー性皮膚炎などに合併することの多い疾患です。主な原因は、ダニ、ハウスダスト、花粉(スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ハンノキなど)、ペット類(ネコやイヌの抜け毛やフケ)などです。
近年は発症が低年齢化しています。保育園などに通いはじめて間もないお子さまの鼻水は、ほとんどが風邪によるものですが、ある程度集団生活を経験した後でも透明な鼻水が止まらない、鼻がつまる、鼻血をよく出す、くしゃみが多いなどの症状があればアレルギー性鼻炎が疑われます。
鼻や目のつらい症状のみならず、鼻が詰まって口呼吸になり、風邪をひきやすくなったり、不快な症状から学習や睡眠に支障をきたし生活の質を落としてしまうこともありますので、お子さまに気になる症状がみられたら、お早めにご相談ください。
じんましんは皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡形もなく皮疹が消えるという特徴があります。たいていかゆみを伴います。発症して6週間以内を「急性じんましん」、それ以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼びます。
原因を特定できる場合と特定できない場合があります。薬物治療は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬や塗り薬が中心となります。
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